福岡の書の大家 松田朴伝「やりっぱなしでもいい」中高生へのメッセージ

書家の松田朴伝先生をご存知でしょうか。福岡県を代表する、いや日本を代表する書の大家で、世界で活躍されています。高校生クリエイター集団Brillianceの取材中に、偶然にも朴伝先生へインタビューができました。

福岡の書家「松田朴伝」

松田朴伝

撮影:島村祐汰

松田朴伝先生は佐賀県基山町出身の書家で、福岡を拠点とし世界で活躍される芸術家です。現在は世界中の大学などで、日本文化を紹介する講演やパフォーマンスなどに数多く招待される日本を代表する書家となられています。

実際に朴伝先生に会われた方はわかると思いますが、笑顔がとても素敵な方で、にこにこニコニコとこちらも幸せな気分にさせてくれる先生です。

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きっかけは暇つぶし

朴伝先生が書を始めたきっかけは「暇つぶし」だったようです。

朴伝先生「当時、大阪で就職して3年後に地元に帰ってきました。ちょうどそのときに、私の高校時代の書道の師に『暇なら出て来んか?』と声をかけられたのがきっかけ。どんどんやっていくうちに深みにはまりました。」

美術が好きなものどうしが集まり月に1回勉強会を開くようになり、当時は「日曜芸術家」としてメディアに取り上げられたようです。佐賀県で開かれる作品展にも出展するようになり、多くの賞を受賞されています。仕事で福岡に通われていたので福岡でも出展をはじめますが、何年も賞を受賞することができませんでした。それもそのはず、当時の県展では、書類選考で1次審査が行われ、有名な作家やコネが無いと作品すら見てもらえない環境だったようです。

これをきっかけに東京での作品展に出展するようになり、瞬く間に有名になっていきます。海外での作品展やパフォーマンスの依頼も殺到するようになり、はじめはサンフランシスコ、その後はシアトル、オーストラリア、プラハなど、世界の名だたる都市でご活躍されています。

朴伝先生は世界中で個展なども開かれますが、作品の販売などは全く行っておらず、日本文化を世界に伝える活動に専念されています。

書・芸術のおもしろさ

現在、世界中で活躍される朴伝先生が思う「書・芸術のおもしろさ」は何なのか聞いてみました。

朴伝先生「書の世界は白と黒でしょ。白と黒をやっていると結局次は色物に興味がわいてくる。次は立体に興味が行く。やりたいことが次から次に変わっていくんですね。やりたいことを次から次にやっていくことで、自分の本命の書を深めていきたい。結局は面白くてたまらないんですね。やればやるほどどんどん面白さがわかるようになってくる。」

何事もがむしゃらにやり続けることで、その分野を深めることができ、それが面白さにつながっていく。芸術も仕事も勉強も同じですね。石の上にも三年とはよく言ったもので、やり続けることの大切さをあらためて感じさせられました。

刺激によって自分を常に変化させる

海外でご活躍される朴伝先生ですが、海外に行きはじめた当初は何でもかんでも珍しいものばかりで、文化の違いを強烈に感じていたようです。

朴伝先生「最初にサンフランシスコに行きましたが、日本と全く文化が違うので何でもかんでも珍しいものばかり。それでものすごい衝撃を受けました。作家というものは自分自身に常に刺激が必要で、じっとしておいても何の収穫もない。日本にいるときは常に自分を変化させようと意識し、海外に行くと新たな刺激をもらう。だから髪型もロングヘア―からいきなり坊主にしたり、ひげを伸ばしたり、服をビリビリに破いたりと常に自分を変えていましたね。」

「間」の大切さ

朴伝先生は料理にも精通されており「出張料理人」という番組にも出演されていました。

朴伝先生「料理では、味はさることながら皿や盛り付け、温度、空間も大切です。しかし一番大切なものは時間、料理が提供される時間も大事なんです。書も芸術も何でもそうですが、この『間』というものが非常に大切。何も書かれていない空白が一番大切なんです。」

喋り手の話でもよく聞くことですが、やはり一流と二流の違いは「間」にあるようです。空間や何もない空白が重要です。コミュニケーションでも「間」を使い分けることで自分の気持ちや考えをしっかりと相手に伝えることができるようになります。

中高生に向けて

撮影:島村祐汰

朴伝先生「若いときは、思い切って何でもやりなさい。むちゃくちゃでもいい。やりっぱなしでもいい。やりたいことをどんどんやって、いっぱい冒険をしなさい。実際に自分の作品でも説明しきれないものもある。作品にならないものも沢山あります。やりっぱなしでもいい。何でも思い切ってやることできっと何かが見えてきますよ。」

まとめ

今回は偶然にも松田朴伝先生にインタビューができました。書の第一線で活躍されている方の貴重な話を聞くことができ、自分自身にも染みわたるような内容でした。

一番印象に残っているのが朴伝先生のその笑顔です。赤いトレーナーに黒いベストと少し奇抜な服装をされていましたが、丸坊主の頭にニコニコとした笑顔が非常に印象的で、先生の歩んできた道がその笑顔からもにじみ出ていました。

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