【理科】光合成反応の可視化に成功!今後の人工光合成に期待!中学高校生物的に考える

植物の光合成反応の可視化に成功!中学高校生にもわかりやすく解説

理化学研究所光量子工学研究領域生細胞超解像イメージング研究チームが、生きた植物細胞内にある葉緑体の内部での「光エネルギー伝達」の変動の様子を可視化することに成功しました。

光合成反応は、地球の空気のバランス調節機能や炭水化物やタンパク質などの物質生産の根幹を担う大切なはたらきです。中学校では光合成のおおまかな反応、生産者である植物の自然界でのはたらきについて学習しました。高校生物では葉緑体のチラコイド膜に存在する光化学系とストロマで行われるカルビン・ベンソン回路を学習しました。生物の中でも複雑で、いまいちどのような反応が行われているイメージしづらい分野でもあります。

植物細胞内には葉緑体という細胞小器官が存在します。大きさは約10μm(マイクロメートル)。1mm=1000μmなので、10μm=0.01mmの大きさになります。肉眼で見える限界(肉眼の分解能)は0.1mmなので、肉眼で観察することはできません。この小さな葉緑体内で光合成に関与するタンパク質の働きを観察することや、高速に伝達する光エネルギーを直接捕えることは極めて難しく、これまで光合成反応での光エネルギーの動きを生きた細胞で観察することはできませんでした。

今回研究チームは「共焦点顕微鏡システム(SCLIM)」を使い、三次元の高速スキャンに成功。その結果、光合成反応での光エネルギーの動きを可視化することに成功しました。この成功によって、光合成反応の初期に起こる光エネルギーの速い変化を追跡することが可能となり、今後の光合成研究の発展に貢献することは間違いなさそうです。夢の人工光合成への新たな一歩が踏み出されたと言っても過言ではありません。

参考:理化学研究所『躍動する光合成反応を可視化』

出典:理化学研究所

出典:理化学研究所『光エネルギー伝達の仕組み』

出典:理化学研究所

出典:理化学研究所『SCLIMによるヒメツリガネゴケの葉緑体内部の観察』

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中学生物的に光合成反応を考えてみよう!

中学生の理科の学習では、1年生のときに、植物の体のつくりとはたらきという単元で、『光合成』につて学習しました。

出典 www.kirinsou.com

出典:www.kirinsou.com

光合成

植物が光エネルギーを使って、葉緑体内で二酸化炭素と水から、有機物であるデンプンをつくりだすはたらきを『光合成』といいます。このとき酸素が余るので、デンプンができると同時に酸素も空気中に放出されます。光合成は光エネルギーを必要としますので、光が当たっていいる昼間だけ植物は光合成をおこなっています。

この光合成の問題では「対照実験」に関する問題がよく出題されます。葉の一部をアルミニウム箔でおおった実験、石灰水やBTB溶液を使った色の変化に関する対照実験などが高校入試には頻出します。いまいちイメージできていない人はしっかり復習しておいてください。

自然界での生産者

光合成を行う植物は、自然界のなかで唯一、有機物であるデンプンをつくりだすことができます。動物は自ら有機物であるデンプンをつくりだすことができませんので、植物がつくったデンプンを食べることで有機物を手に入れています。この自然界のはたらきから、植物は「生産者」動物は「消費者」と呼ばれています。

生産者とは、二酸化炭素や水などの無機物から、光合成のはたらきにより有機物のデンプンをつくりだす生物。でしたね。ここも頻出分野なので復習をしっかり行ってください。

高校生物的に光合成反応を考えてみよう!

高校生物では、同化の単元の炭酸同化で光合成反応を詳しく学習しました。この反応は、呼吸の解答系→クエン酸回路→電子伝達系の反応と同じく、わかりにくく受験生泣かせの単元でもあります。基本的な流れはチラコイド膜での光化学系Ⅱ→光化学系Ⅰ→ストロマデのカルビン・ベンソン回路の流れで進みますので、まずはざっくりとした知識を身に付け、後から模試の解説などをしっかり読み、枝葉の知識を身に付けていくようにすると効果的です。

出典:http://www.daiichi-g.co.jp/

出典:http://www.daiichi-g.co.jp/

チラコイド膜での反応『光化学系Ⅱ、Ⅰ』

葉緑体のチラコイド膜に存在する光化学系には、クロロフィルやカロテノイドといった光合成色素が含まれています。光化学系Ⅱでは、光を吸収して活性化されたクロロフィルから高エネルギーの電子が放出され、この電子は電子伝達物質からなるタンパク質複合体に渡されます。これによってクロロフィルは電子が不足した状態になり、水から電子を引き抜きます。その結果、水は水素イオンと酸素に分解されます。酸素が発生するのはチラコイド膜で行われる光化学系Ⅱの反応影響です。

光化学系Ⅰでは、光化学系Ⅱと同様に光を吸収して活性化されたクロロフィルから高エネルギーの電子が放出され、この電子は酸化型補酵素のNADP+に受け渡され、還元型補酵素のNADPHが生成されます。これによってクロロフィルは電子が不足した状態になりますが、光化学系Ⅱから放出された電子が電子伝達系を通過後、このクロロフィルに渡されもとの状態に戻ります。

水の分解と電子伝達系で蓄積された水素イオンは濃度勾配に従って、ATP合成酵素をチラコイド膜内からストロマ側に向かって移動します。このときにADPがATPに作り替えられます。このチラコイドでの反応で造られたNADPHとATPは次のカルビン・ベンソン回路へ送られ、有機物の合成に使われます。

ストロマデの反応『カルビン・ベンソン回路』

ストロマで行われるカルビン・ベンソン回路では、PGA(グリセリン酸二リン酸)はATPとNADPHの作用を受けてGAP(グリセルアルデヒドリン酸)となり、GAPの一部が酵素反応によって有機物となり、他はATPの作用を受けてRuBP(リブロ―ス二リン酸)になります。RuBPは二酸化炭素と結合し、再びPGAに戻ります。このRuBPからPGAに戻るときに二酸化炭素が必要になるのです。

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