福岡県も高校入試の私立高校がもうすぐ始まります。福岡県公立高校入試の理科の予想を行います。受験生は是非参考にしてください。
福岡県公立高校入試「理科」
福岡県公立高校入試問題「理科」は、大問8問の構成になっています。生物、物理、化学、地学の4分野から満遍なく出題されるのが特徴で、出題内容にも一定の規則性が見られ予想がしやすいのが特徴です。
大問の構成は以下の通りです。
理科の問題構成
- 第1問…生物分野
植物のつくりやはたらき、分類に関する問題が多い。顕微鏡などの観察方法も頻出 - 第2問…生物分野
動物の体のつくりや分類に関する問題、生物の成長、生殖、生物のつながりなどが主流 - 第3問…化学分野
化学変化、化学変化と質量、熱、状態変化などの出題が主流 - 第4問…化学分野
イオンや水溶液、電池、電気分解、酸・アルカリ、中和に関する問題が主流 - 第5問…地学分野
地震、火山、地層、プレート、気象観測、天気図などの問題が主流 - 第6問…地学分野
地球の自転・公転、太陽系、前線の通過や日本の天気、湿度に関する問題が主流 - 第7問…物理分野
光や音、力と圧力、電気回路、電力と熱量、電流の利用に関する問題が主流 - 第8問…物理分野
力の合成・分解、記録タイマー、力学的エネルギー、仕事の原理などに関する問題が主流
すべての分野から、偏りなく出題されることがわかります。また、他県のように小問の集合問題が無いのも特徴の一つで非常に予想が立てやすいです。
また、平成30年度(2018年度)入試より、試験時間が5分延長されています。2020年度から実施される大学入試改革に合わせ、より思考力や表現力を問う問題を出題するためです。試験時間の延長により、福岡県公立高校入試理科の内容は、記述問題の増加、実験方法に関する問題の増加、仮説を立てさせる問題などの出題があったりと若干の変化が見られそうです。
しかし、出題傾向が大きく変化することはありませんので、今まで通り、できることをしっかりとこなしていくことが大切です。
参考【高校入試】入試に出る理科の計算問題のまとめ!
2020年度福岡県公立高校入試問題予想
はっきり言って、毎年7~8割近く的中します。しかし、あくまで予想ですので大きく外れても責任は負いません。予想は過去10年分の出題内容を参考に、筆者が独自の見解で作成しています。分野ごとに出題可能性が高い問題を挙げています。
生物分野の予想(第1~2問)
- 遺伝の規則性
遺伝の法則に関する出題。分離の法則や子や孫の表現型の比、遺伝子に関する出題が予想されます。染色体や遺伝子、DNAなどの用語をしっかりと確認しておきましょう。また、種子の数を計算させる問題も出題されます。できる種子の比から計算ができるように練習してください - 植物の分類
種子をつくらいない植物から種子植物まで、その特徴と分類する基準に関する出題が予想されます。分類の基準を記述させる可能性があります。記述対策も行いましょう。また、植物のからだのつくりとはたきも関連させて出題されますので、植物のからだのつくりについては完ぺきに暗記しておきましょう。 - 消化と吸収
ヒトのからだのつくりで、今年一番出題可能性が高いのが消化と吸収に関する内容です。どの消化酵素がどの養分を消化するのか。消化されてできた養分は柔毛のどこから吸収されるのかなどは頻出です。あわせて肝臓の知識も問われますので、肝臓・腎臓の復習も行っておきましょう。 - 感覚器官と神経系
目や耳などの感覚器官のつくりや、神経や脳に関する出題も考えられます。感覚器官で受け取った刺激がどのように伝達され、運動器官に信号がとどくのかを、普通の反応と反射の両方で説明できるようになっておきましょう。
以上が生物分野で出題可能性が高い問題です。その他にも、光合成と呼吸、動物の進化、減数分裂と有性生殖なども出題される可能性があります。
化学分野の予想(第3~第4問)
- 化学電池
イオンに関する出題は絶対にあると言っても過言ではありません。化学電池や燃料電池、電気分解、酸・アルカリ・中和は絶対に勉強しておきましょう。電池のしくみをイオン化傾向でマスターしておくと、あらゆる問題に対応できます。電気分解も、塩化銅水溶液の電気分解も復習しておきましょう。 - 酸・アルカリ・中和
イオンの分野では、化学電池か酸・アルカリ・中和のどちらかが出題される可能性が高いです。中和に関しては、基本例題が解けるレベルに練習を重ねてください。中和の体積比を考えさせる問題は難問になりやすいので、高得点が必要な生徒は計算練習も行っておいてください。 - 酸化と還元
酸化と質量に関する出題は昨年見られましたが、還元に関する出題がここ数年ありません。酸化銅の還元に関する問題を復習しておいた方が良いでしょう。酸化銅を炭素で還元するパターン、水素で還元するパターンの両方を復習してください。化学反応式やモデル図も出題されるので、スラスラかけるようにしておきましょう。 - 水溶液の性質・溶解度・濃度
粒子が水にどのように溶けていくのかに関する問題。溶解度や再結晶、濃度などの計算問題もあわせて出題されます。溶解度の量や再結晶量を問う問題では、溶媒の量を変化させ、難問化する傾向があります。濃度も小数計算でつまずく生徒も多いようですので、早めの対策が必要です。
以上が化学分野の予想です。中学3年生で学習したイオンに関する分野は頻出ですので、偏りなく学習しておきましょう。
地学分野の出題(第5~6問)
- 火山と火成岩
マグマの粘り気と火山の様子に関する出題が考えられます。あわせて火成岩の特徴も出題されますので、火山岩と深成岩のつくりの違いや、含まれる鉱物の種類や割合についてもマスターしておきましょう。 - 地層と堆積岩・化石
地層のでき方に関する問題と、地層のひろがり、つながりを問う問題が出題される可能性があります。地層の問題に絡めて、化石に関する出題が考えられます。示相化石と示準化石を学習しましょう。石灰岩や凝灰岩などの堆積岩の知識も復習し整理しておきましょう。 - 金星の見え方
太陽系に関する問題で、特に金星の見え方に関する出題が考えられます。どの時間帯にどの方角に観測できるのか復習しておきましょう。あわせて他の惑星や、銀河系などの知識も整理しておいてください。 - 透明半球
太陽の一日の動きを透明半球で表した問題の出題可能性が高くなっています。南中高度の表し方や、南中時刻の計算、季節による太陽の日周運動の変化などが出題されます。また、作図問題も出題されやすいので、南中高度がどこになるのか作図できるように練習しておきましょう。
以上が地学分野の予想です。昨年は前線の通過に関する出題があったので、天気分野から出題される可能性がある単元は日本の天気の特徴です。各季節の天気の特徴を復習しておきましょう。
物理分野の予想(第7~8問)
- 電磁誘導、電磁石
電流と磁界に関する出題が予想されます。導線に電流が流れたときの磁界の様子やコイルの周りの磁界、電磁誘導、モーターに関する知識は絶対に復習しておきましょう。問題に付随して、オームの法則に関する計算問題も出題されやすいので、電流・電圧・抵抗の計算の仕方も復習しましょう。 - 電流と電子
真空放電管などの使った電子線に関する出題が考えられます。電子の移動する方向や、実験装置の特徴をしっかりと復習しましょう。静電気が起こるしくみ出題される可能性がありますので復習してください。 - 仕事とエネルギー
仕事を計算させる問題が考えられます。仕事、仕事率の計算はもちろんのこと、いろいろな道具、滑車や斜面、てこなどを使った仕事の原理に関する問題も練習しておきましょう。また、力学的エネルギーに関する問題も出題される可能性があります。記述問題も見られますので、どのような場合に力学的エネルギーが保存されるのかも書けるようになっておきましょう。 - 台車の運動
記録タイマーやストロボスコープを使った台車の実験の問題も全国的に出題率が高い問題です。台車の速さの計算はもちろんのこと、台車にはたらく力についても記述が書けるレベルに持っていきましょう。
以上が物理分野の予想です。物理分野は、他の分野と比べて正答率が低くなることがあります。難関校を受験する生徒にとっては非常に重要な分野となりますので、何度も計算練習をし、確実に解けるように練習を積み重ねましょう。
大学入試改革に伴って、福岡県入試も少しずつ変化してきています。2018年度入試からは試験時間が5分延長されますが、基本的な問題構成、難易度は大きく変化することはないと考えてよいでしょう。しっかりと基礎的な内容を理解しておけば、出題傾向が変化しても十分に対応できると思いますので、何でそうなるのかをしっかりと考えながら勉強に励んでください。
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