流行・時事用語と知っておきたい1つの用語として、「post-truth」ということがあります。この「post-truth」は、直訳すれば、「脱真実(的)」となるところですが、実際は、「『客観的事実』が重要視されない時代とその雰囲気」を指す言葉として使用されています。
post-truth politics(ポストトゥルースポリティクス)
最近のpost-truth politics現象
- イギリスのEU離脱を問うた国民投票「Brexit」
- トランプが勝利した米大統領選
- 韓国大統領の不祥事
- イタリアの憲法改正国民投票の否決とマッテオ・レンツィ首相の辞任
- 日本における衆参両院での改憲派議席数3分の2超え
など、これまでの政治的な「常識」や世論調査などの予測が「失敗」する出来事が相次いでいます。
ポストトゥルースの背景
伝えられていることや自分の立場の逆の意見に立ち入ってみないことが原因でしょう。自分の心地よい情報をだけを受けとり、それが真実だと思い込む。いや、その情報を言っている人があの人だからと信者になっている可能性が高い。
つまり、ちょっと知識を持ち、ちょっと話がうまいと、無知な大衆を信者にし、ある方向へ動員できることを意味します。
また人間は、目に見えない不安や現状への不満を抱えながら生きている人も多く、そこに漬け込み、今のその不安や不満は、今の政治が悪い、高齢者が悪い、環境が悪いと、あえて敵を作ることで、動員へのエネルギーを増大することもできます。
これからがポストトゥルースの本当の時代
2017年は後から振り返るとポストトゥルースが起こった年として記憶されるかもしれませんね。世界を見ると大統領選挙も多く、日本でも、解散総選挙がある可能性も高まっています。また、憲法改正の国民投票へ大きく動き出す年になるかもしれません。人々を動員したい候補者や政党がどうマニュフェストを掲げ、どう発信するのか、それは真実なのか、達成可能なのか、あらゆる視点にたって検証することが求められるでしょう。
ポストトゥルースのまとめ
数多くのポストトゥルース現象がおきている今、われわれは、正しいメディアリテラシーを磨いていかないといけません。その1つが、自分の立場とは真逆の立場に立ち入ってみる。反対意見の中のいい面、また自分の意見と組わせることで新たな意見が生まれるかもしれないなどという発想のもと、自分の意見や立場に固執することなく、最終的な行動をとりたいものです。
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