高校入試理科「狙われる単元を徹底解説!」理科の重要単元をマスターしよう!です。高校入試に向けての理科の勉強は、どの単元に重点を置くべきか悩むことが多いでしょう。特に、狙われやすいテーマを理解し、効率的に対策を立てることが合格への近道です。本記事では、高校入試で頻出の理科の単元を徹底的に解説し、効果的な学習法やポイントを紹介します。これを参考にして、理科の得点力をアップさせましょう!
理科のよく出る出題「生物」分野
全国的に出題の可能性が高い単元は以下の単元になります。受験生は是非参考にしてください。
- 遺伝の規則性
- 動物の進化
- 植物の分類
- 血液の循環
この4つの単元の出題の可能性が高くなっています。その他にも、
- 刺激と反応
- 消化と吸収
- 細胞分裂
- 食物連鎖
なども念のために復習しておいたほうが良いでしょう。次は出題可能性が最も高い遺伝の復習をしましょう。
遺伝の規則性
遺伝の規則性を勉強するうえで何が一番重要なのは「減数分裂」から「受精」の仕組みをマスターすることです。あとは用語をしっかりと覚えることと、遺伝の比の計算をマスターすれば満点を目指すことができます。
遺伝
「遺伝」とは、生物が持つ形や性質である「形質」が子に伝わることです。
遺伝子
「遺伝子」とは、生物が持つ「形質」を子に伝えるもので、形質を発現させるもとになるものと言われたりもします。
DNA
「DNA」とは遺伝子の本体です。わかりやすく言えばDNAという材料で遺伝子が作られており、そこに生物の色んな形質が記録されています。ちなみにDNAは略称で、正式名称は「デオキシリボ核酸」になります。
染色体
「染色体」とは、遺伝情報を記録したDNAを持ち運びしやすいように折りたたんだものです。通常は核の中にある構造ですが、細胞分裂のときに見えるようになります。キーワードは「糸状の、ひも状の」です。酢酸カーミン液(酢酸オルセイン液)で赤色に染まることも重要です。
純系
「純系」とは、代を重ねても同じ形質しか現れない個体のことです。わかりやすく言うと、ずっと同じ形質しか現れないものです。エンドウの場合で言うと、ずっと丸い種子しか作ってこなかったものや、すっとしわのある種子しか作ってこなかったものが純系です。遺伝子の型で言うと、「AA」や「aa」など、同じ遺伝子しか持っていないものになります。
対立形質
「対立形質」とは、どちらか一方しか子に表れない形質のことを言います。エンドウで言うと、種子の形は「丸」か「しわ」かのどちらかになります。このどちらか一方しか現れない形質を対立形質といいます。
優性の形質
「優性の形質」とは、子に表れやすい形質のことをいいます。決してその形質が優れているということではないことに注意してください。エンドウで説明すると、エンドウの種子には丸い種子としわのある種子がありますが、丸い種子をつくる純系の親と、しわのある種子をつくる純系の親から子ができたときに、子はすべて丸い種子になります。この現れやすい「丸」という形質を「優性の形質」または「優性」「優性形質」というのです。遺伝子の記号では「A」大文字で書かれる方になります。ちなみに遺伝子の形が「AA」や「Aa」の場合は優性の「丸」になり、「aa」の場合だけ「しわ」になるのです。
劣性の形質
「劣性の形質」とは、優性の形質とは逆の子に表れにくい形質のことです。上記のエンドウの例でいうと「しわ」の形質になります。遺伝子の記号では「a」という小文字で書かれます。「aa」の場合だけ劣性形質が現れます。
自家受精(自家受粉)
「自家受精」とは、自分の自身の花の中で受粉し受精することです。言い方を変えると、同じ遺伝子を持つものどうしが受精することです。問題では親から得られた子どうしを受粉させる場合などがこれにあたります。遺伝子の記号で言うと「Aa」の遺伝子を持つ子と、同じく「Aa」の遺伝子を持つ子を受精させることです。ちなみに、他の花や他の株の花どうしを受精させることを「他家受粉」や「他家受精」と言います。
分離の法則
「分離の法則」とは、対(ペア)になっている遺伝子が分かれて、それぞれ別の生殖細胞の中に入ることを言います。通常の身体を構成する細胞に含まれる遺伝子は必ずペアになっています。「AA」や「Aa」、「aa」と書かれるのはそのためです。それが、減数分裂により仲間をふやすための特別な細胞「生殖細胞」をつくるときに行われる「減数分裂」によって「A」や「a」に分かれます。これを分離の法則というのです。
遺伝のまとめ
あとは、典型的な親を受精させて子をつくり、その子どうしを自家受精させて孫までつくる問題の演習を行っておきましょう。1:1や3:1などの比がどういったときに出てくるのか、また、の比に基づいて、生まれた子や孫の数を計算できるようにも練習しておきましょう。
よく出る理科の「地学」分野の単元
これまで、生物分野、化学分野と予想を行ってきましたが、今回は「地学分野」の用語です。まずは入試で問われそうな単元を列挙します。
- 前線の通過、天気図
- 金星の見え方
- 化石
- 火山
前線の通過に関する問題が出題されます。かなり高い確率で出題されるでしょう。もう一つは金星に絡めて天体に関する内容か、火山と地層に関する問題が予想されます。
前線の通過
前線の通過に関する関する内容です。特に、日本が位置する温帯で低気圧が発生したときにできる「温帯低気圧」に関する問題が良く出題されます。
温帯低気圧を勉強するうえで、「低気圧」と「高気圧」、「偏西風」に関する知識が定着していないと、わかりずらいので、まずはそこから復習しておきましょう。
高気圧と低気圧
高気圧とは周囲より気圧が高いところを言います。逆に、低気圧は周囲より気圧が所を言います。なぜ気圧が高い場所と低い場所が生じるのかといえば、高気圧では下降気流が生じている場所で、空気が上空から降りてきて空気が圧縮されるからです。低気圧では上昇気流が生じており、空気が地表近くから上空に向かって上昇し空気が膨張するためです。
地表付近での空気の流れも重要ですので、上の図を参考にしましょう。低気圧の場合、周囲から空気が反時計回りに吹き込んできています。高気圧では周囲に向かって時計回りに空気がふき出しています。
- 高気圧…下降気流、時計回りに空気がふき出す。天気がいい。
- 低気圧…上昇気流、反時計回りに空気が吹き込む。雲が生じやすく天気が悪い。
偏西風
偏西風とは、日本上空、つまり温帯地方の上空に常に吹いている西風です。季節風とは全く異なりますので間違わないようにしましょう。日本上空では、常に西から東に向かって偏西風が吹いていますので、日本の天気は常に、西から東に向かって天気が変化するのです。
温帯低気圧
温帯地方で低気圧が生じると、前線ともなった低気圧「温帯低気圧」が生じます。2種類の前線が伴いますので、各前線が通過するときの天気に変化を問いやすい問題になります。
温暖前線
温帯低気圧の進行方向前方(東側)にできるのが温暖前線です。南西から吹き込んできた暖かい空気が寒気とぶつかり、寒気をおしかしながらゆるやかに上昇している場所です。暖気が上昇した場合は雲ができます。上昇の仕方が緩やかですので、横長の「乱層雲」という雲ができます。
乱層雲にともなう雨は、広い範囲で長時間おだやかな雨を降らせるという特徴があります。通過後は風向が南寄りに変わり、気温が上昇します。
寒冷前線
温帯低気圧の進行方向後方(西側)にできるのが寒冷前線です。北西から吹き込んできた寒気が暖気とぶつかり、暖気を急激に押し上げています。上昇の仕方が急ですので、縦長の雲「積乱雲」が生じます。
積乱雲にともなう雨は、狭い範囲に短時間激しい雨をもたらします。突風や雷なども伴う場合があり、にわか雨と呼ばれたりもします。通過後は気温が下がり、南寄りの風から北寄りの風に風向きが変化します。
高校入試理科「化学」分野のよく出る単元
今回は化学分野にていて詳しくみていきましょう。今年、出題の可能性が高い単元は以下の単元になります。受験生は是非参考にしてください。
- 状態変化と体積
- 酸化と還元
- 水溶液の性質
- 化学電池
以上が高校入試理科で問われる可能性が高い単元です。その他にも中学3年生で学習した、電気分解や酸・アルカリ・中和なども超頻出単元ですので復習しておきましょう。
状態変化と体積
中学校では2つの変化を勉強しました。中学1年生で学習したのが「状態変化」、中学2年生で学習したのが「化学変化」です。状態変化は物質の性質は全く変わらないが、状態だけが変わる変化でしたよね。状態変化で問われやすいポイントをおさらいしましょう。
状態変化と粒子
状態変化では、物質を構成する粒子(原子や分子)の集まり方が変わるだけです。粒子と粒子の結びかた自体は変化しないので性質は変わりません。氷も水も水蒸気も水と同じような性質を示します。
温度によって物質はその状態を固体⇔液体⇔気体と変化させますが、それぞれの粒子の集まり方を記述できる状態にしておきましょう。
- 固体:粒子どうしの間隔がせまく、粒子はわずかに振動している
- 液体:粒子の間隔が少し大きくなり、互いにその位置を変えることができる
- 気体:粒子は空間を自由に飛び回っている
特に、気体の状態を記述させる問題が多いようです。上の図の粒子の状態を想像しながら記述できように練習しましょう。
状態変化と質量・体積・密度
状態変化では粒子の集まり方が変わります。粒子の数や結びつき方などは変わりませんの、質量・体積・密度には次のような規則性がみられます。
- 質量:変化しない
粒子の集まり方が変わるだけで、粒子の数は変化しないので質量は変化しません - 体積:固体→液体→気体となるにしたがって大きくなる
粒子の間隔は温度が高くなるにつれて広くなるので体積は増加していきます - 密度:固体→液体→気体となるにしたがって小さくなる
密度は1cm³あたりの質量なので、質量が変化せずに体積が大きくなると小さくなります。
上の図を見てみると質量の変化、体積の変化、密度の変化がわかると思います。
水の状態変化
普通の物質の状態変化では、固体→液体→気体と温度が上昇するにつれて体積が大きくなって行きますが、水の場合は少し状況が異なります。
水の場合は、固体の方が液体よりも体積が若干大きくなることがポイントです。下の図を参考にしてください。
- 固体:固体にすると体積が液体よりも1.1倍大きくなる
密度は液体よりも固体の氷の方が小さくなる - 液体:密度は1.0g/cm³ということは覚えておく
- 気体:体積が一番大く1gで1700cm³ほどになる
固体の浮き沈み
液体の中に固体を入れて浮くか沈むか聞いてくる問題もあります。理由も説明できるようにしておきましょう。
液体のロウの中に固体のロウを入れると、固体のロウが液体の中に沈みます。これは、固体のロウの方が液体のロウよりも密度が大きいからです。
しかし、水の中に氷を入れると、固体の氷が水に浮かびます。これは、固体の氷の方が液体の水よりも密度が小さいからです。
記述を求める問題が多いように感じます。しっかりと練習しましょう。
理科「物理分野」のよく出る単元
物理分野も必ず入試で登場し、受験生が苦手とする計算問題、作図問題がよく出題されます。物理分野ですが、ここ数年は、電気に関する問題、中学3年生で学習した内容になっています。今年は第7問で、音の性質に関する問題か、電流と磁界に関する問題が出題され、第8問で仕事の計算をさせる問題が出題されると予想しています。以下の分野が出題される可能性が高いです。
- 音の性質
オシロスコープやモノコード - 電磁誘導、電磁石
電磁誘導、コイルやモーター - 電流と電子
真空放電管、静電気 - 仕事とエネルギー
仕事、仕事率、仕事の原理
中でも出題の可能性が高い、音の性質について今日は復習しておきましょう。
音の性質
音の性質に関する問題で、大きなウエイトを占めるのは、オシロスコープを使った、音の波形に関する問題と、モノコードなどを使った音の高低に関する問題ではないでしょうか。
オシロスコープ
音は、音源の振動が空気に伝わり、空気の振動が波となって伝わることで聞こえます。空気の振動のようすをコンピューターで表したものがオシロスコープです。波の形によって、音の大きさや高低がわかるようになっています。
音の大小
大きい音と小さい音の違いは、波の波形の大きさの違いです。大きい音は波の山が大きく、小さい音は波の山が小さいです。この波の山の大きさを振幅といいます。
- 大きい音…振幅が大きい
- 小さい音…振幅が小さい
音の高低
音の要素として、大きい小さいの他に、高い低いという要素があります。この違いは、音の波の数の違いです。高い音は波の山の数が多く、低い音は山の数が少ないです。この山の波の数を振動数といいます。
- 高い音…振動数が多い
- 低い音…振動数が少ない
波のようすを見て、どんな音か答えられるようにしましょう。また作図問題もよく出題されます。
振動数
振動数に関する計算問題もよく出題されますので、計算方法をマスターしておきましょう。その前に振動数とは何なのかをおさらいします。
振動数とは、1秒間に振動する回数のことを言います。波形で言うと山の頂点から山の頂点までを1回の振動と数えますが、これが1秒簡にどれくらいあるかを表したものが振動数といいます。単位はHz(ヘルツ)です。
上の波形で、目盛りの1マスを0.001秒だったとします。上の波形では、1回振動するのに2マス分、つまり0.002秒かかっています。このときの振動数は次のように求めることができます。
1回:0.002秒 = x回:1秒
これを解くと、x=500となり、振動数は500Hzになります。
モノコード
モノコードとは、弦を使った実験装置で、ギターや琴などと同じつくりをしています。モノコードの弦をどう弾いたらどんな音が出るのかをマスターしましょう。
モノコードを使って、大きな音を出すためには、弦を強く弾けばいいです。弦を強く弾くことによって、弦の振幅が大きくなり大きな音が出ます。逆に小さな音を出すには、弦を弱く弾けばいいのです。弱く弾くと、弦の振幅が小さくなり小さな音が出ます。
高い音を出すには、3つの方法があります。モノコードのことじを動かして、振動する弦の長さを短くするか、弦の太さを細くするか、弦を強く張って弦を引き伸ばすかの方法があります。簡単に言うと、振動する弦を軽くすれば高い音が出るのです。
低い音を出す方法も3つあります。振動する弦の長さを長くするか、弦の太さを太くするか、弦を弱く張ってゆるゆるにするかの方法があります。簡単に言うと、振動する弦の重さを重くすればいいのです。
- 大きい音…弦を強く弾く
- 小さい音…弦を弱く弾く
- 高い音…弦を短くする、弦を細くする、弦を強く張る
- 低い音…弦を長くする、弦を太くする、弦を弱く張る
以上が今年狙われやすい内容です。
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